ドクターズコラム

2019年夏「令和を迎えて」

昭和33年生まれなので、丁度昭和を30年、平成を30年過ごして、令和を迎えました。令和も30年過ごせればと先日上下内視鏡検査を受けてきましたが、他の医療機関を受診するのは自分の普段の診療を見つめ直すいい機会になります。平成13年に島原病院に来てからかれこれ18年近くが経過しますが、新しい医療知識に触れるのに助かるのが若い先生とのやり取りです。現在島原病院の循環器科は私と高橋院長の二人体制のため大学病院からの若い(といっても30歳前後ですが)先生と一緒に日々の診療をしております。丁度私の子供と同じ年代で、小さな診療所なら若先生と大先生と呼ばれるような関係になります。今の若い先生方でまず感心するのが電子カルテの飲み込みの速さです。私が数ヶ月かかってやっと覚えた事も最初に10分程度説明しただけですぐマスターしてしまいます。研修医になった時から電子カルテを使用しているのと、小さい頃からネット環境に親しんでいるからでしょうが、ポケベルで呼び出されていた私達の時代とは隔世の感があります。30年前は手書きの処方箋で14日分しか処方できなかったので、外来診察の大部分の時間が処方箋記入(しかも次回にも使用できるようにカーボン紙をはさんで記入していたので腱鞘炎との闘いでしたが)に割かれていましたが、今はdoボタン一つで印刷され医療環境の整備に多大な貢献をしています。

次に最近の若い先生は皆きちんとトレーニングを受けていて、知識、技術ともにしっかりした物を持っています。医局から医師が派遣されていた時代とは異なり、熱心な教育指導者と良質な教育プログラムが現代医療を向上させているのを感じます(ただ医師の大都市病院への偏在による地域医療の崩壊などが課題になってきていますが)。当院に来てもらっている先生は京都大学か京都府立医大病院に勤めているので、最先端の医療に身近に触れているのと同時に、当院からの紹介が必要な際にも横の繋がりでスムーズに進みます。また心臓カテーテル検査・治療が好きな人、ペースメーカー手術に長けた人、末梢動脈疾患治療のスペシャリスト、外来診療を丁寧に進める人などそれぞれ個性も発揮してきています。小さな診療所の継承では若先生に患者さんが集まってきて、大先生は昔からの馴染の人の時にだけ呼ばれる、というのがよくあるパターンですが、まだ老け込む年でもないのでしっかりトレーニング(頭も体も)しながら令和の時代も過ごしていければと願っております。



第60号 しまばら通信より・2019年 夏

<このコラムの執筆:副院長 的場 芳樹

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