ドクターズコラム

2019年春「減量成功には「ヤル気」が必須!」

減量しようと、甘いものをやめても、朝早くから歩いても、三日坊主で終わる人が多い。実際、減量は難しい。しかし、減量に成功する秘訣はある。何を言われてもぶれない意志、つまり本人の「ヤル気」です。例えば、心筋梗塞を起こして死にかけた人に「痩せないと次の発作が起こったら死ぬぞ」と言うと本気になり、あっという間に10kgでも20kgでも減量される。また、「ヤル気」のない人に対しては、専門医が説得して「ヤル気」を起こさせてから治療を始めると成功する。 例えば、整形外科の主治医より「3ヶ月後に人工股関節置換術をするので、それ迄に20kg痩せなさい。減量の名人を紹介するから」と言われて来院された患者さん。最初の受診時、「3ヶ月で20kgも痩せられませんよ。でも先生は肥満治療の名人らしいですね。どんな痩せ薬をくださるのですか」と。私は、「あなたは整形外科の手術を受けるのですよ。手術翌日にはリハビリが始まる。大腿骨頭は体の支えになる所で、歩くと特に痛い場所です。あなたは20kg痩せるように言われましたね。20kgと言うと10kgの米を2個持って歩くようなものです。それを持ってのリハビリは不可能です。どうしても自分の力で痩せないと手術後寝たきりになってしまう。足が痛くても手は動く。 座ったままでもエアー水泳はできる。毎食後やってください」。「出来るでしょうか」。私は大声で 「できる」と言うと、反射的に患者さん「頑張ってみます」と言われた。この時点から食事療法を指導すると患者さんは聞く耳を持って聞いていただけ、減量に成功されるのです。私たち医療ス タッフはその後、食事・運動療法を指導監督し、うまく減量できれば褒めるという手技を繰り返し、結局外来治療3ヶ月間で18kg減量させた。手術も成功し、今はピンピン歩かれている。

食事指導の概略は、3ヶ月間が1クール。甘い砂糖菓子をやめ、1日果物2個がおやつ。毎食前キャベツなどの生野菜を噛んで食べる。おかずは1日全部で牛乳200ml+卵1個+肉80g(8×4×0.8cm)+魚80g(刺身5切)+豆腐1/2丁。主食は朝・昼ご飯1杯ずつ。これが、肥満女性の1200kcal減量食。肥満男性なら、夕食のご飯をもう1杯とおかずを少し増やした1500kcal減量食です。

食後はすぐに身体を動かし、1日5000歩の散歩が必要。足が悪い人なら座ってのエアー水泳 1分間でもやらないよりはまし。これらを全部やれば、最初の1ヶ月間で2~4kgは痩せる。頑張られると、3ヶ月間で5~15kgの減量に成功する。当方の肥満外来では93%の患者さんが減量に成功されている。

「ヤル気」が十分でない時期に食事・運動療法を指導しても「守ったら痩せそうだが、自分には無理」と言われる。それゆえ、専門医に掛からずに痩せたいと思われるなら、「本気で痩せて糖尿病から脱出したい」とか、「少し歩いても息が切れることがないようにしたい」など、自分が減量の為に必要で本気になれる理由を探してみてください。痩せたいが、自分では「ヤル気」が見つけられず自信がなければ肥満専門医を受診してください。その後、この減量法を実践されればきっと成功しますよ。一度挑戦してみてはいかがですか。



第59号 しまばら通信より・2019年 春

<このコラムの執筆:糖尿病内科部長 吉田 俊秀

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