ドクターズコラム

2016年秋「運動習慣をつけましょう」

島原病院が心臓リハビリテーションを開始してこの10月で2年が経過しました。延べ8千人近い方にご利用頂いています。2階のリハビリテーション室は病院内でもとりわけ明るく活気のある雰囲気で溢れています。私も6年前から週に一度自宅から1時間で往復できる大文字山までの山歩きと、3年前からは自宅で毎日1時間かけてストレッチと体幹トレーニングを始めるようになりました。子供の受験(火床にあるお地蔵さんへのお参り)とゴルフの飛距離が急に落ちてきたのがきっかけですが、一度始めると習慣となり、子供の受験もとうに終わり、ゴルフのスコアも下降線の一途ですが、今も続けられています。腹部CTで計測した皮下脂肪と内臓脂肪は以前の2/3まで減少し、血液検査でも善玉HDLコレステロールが正常下限の40mg/dlから60mg/dlまで増加し、運動による効果を痛感しております。振り返ってみると、6年前も3年前もたまたま秋から始めたのがよかったのかもしれません。夏の蒸し暑い時はつい気持ちがなえがちですが、それまでに運動習慣が生活リズムに組み込まれていたのが幸いしたようです。

運動を始めるきっかけは、「検診で勧められた」、「病気を体験した」、「友人に誘われた」、「久しぶりの同窓会までに痩せたい」、など人それぞれですが、一度習慣が付いたらしめたもので、また目に見える形で効果が現れれば容易に続けていけます。運動の効用についてはいろいろ言われていますが、先日NHKの番組(シリーズ医療改革:キラーストレス)で報道された内容を紹介します。運動がストレス反応の暴走の引き金となる自律神経の興奮を抑え、心臓、脳などの臓器を保護することが知られていますが、当初は運動による気晴らしかなとも考えられていました。しかしネズミを使った実験では、運動を継続させたネズミでは延髄という所にある脳神経細胞の突起の数が減り、ストレスによる自律神経の興奮が抑えられることが科学的に証明されています。また、心筋梗塞を経験した患者さんでも運動を継続することにより、しなかった方と比べて50%死亡率が低下することが明らかにされています。運動の効果が現れるには週3回30分位の息が少し上がる程度の有酸素運動を続けることが望ましく、健康保険の制約(適応の病気、回数)から島原病院での心臓リハビリテーションのみではまだ不十分ですが、運動の習慣付け、相談、指導などでお手伝いできればと考えておりますので、興味があれば病院スタッフに声をかけてください。



第49号 しまばら通信より・2016年 秋

<このコラムの執筆:副院長 的場 芳樹

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