ドクターズコラム

2016年春「減 量 成 功 の 秘 訣」

食べる量を減らして運動量を増やせば痩せることは間違いありません。しかし、ヤル気が十分でないとうまいものがあると食べてしまい、人に誘われれば、また、食べてしまいダイエットは不成功に終わることが多いのです。このように、減量成功の秘訣は、第一には、本人のヤル気にかかっています。肥満専門医が使う減量治療法の一つの行動修正療法では、熟考期(痩せたいとは思うが自分一人では無理という時期)、準備期(やらないとダメと本気で考えるようになり減量本を読み始める時期)、行動期(よしやるぞと自分で減量に燃えている時期)という3つの時期がありますが、熟考期の人に食事・運動療法を指導してもその多くは「守ったら痩せそうだが、自分には無理」と言われる。心筋梗塞を起こして死にかけた人に「痩せないと次の発作が起こったら死ぬぞ」と言うと本気になり、あっという間に10kgでも20kgでも減量される。好きな人に「10kg痩せられたら結婚してあげる」と言われたら死にもの狂いで頑張り、10kgでも減量してしまえるかもしれませんね。これがヤル気になった行動期で必死の状態と、熟考期程度で何度減量を試みても失敗する人の差なのです。肥満専門医は薬を用いて減量しているのではなく、患者さんにヤル気を起こさせて減量へ導いているのです。痩せて健康になりたい、綺麗になって結婚したい、娘の結婚式までに痩せたいなど、自分が減量の為に必要な本気になる理由を探してヤル気に燃えてください。第二には、なぜそんなに大量に食べるのか、飲むのかの原因を考えてみてください。すると原因の大半が日常茶飯事なストレスであることに気付くはずです。ストレスの原因を見つけ、取り除けるものは取り除き、軽減できるものはポジティブ思考で軽減させるのです。第三には、食事指導を守っていたら、腹が空いて長続きしない方の為に、当方では野菜の炊いたものや、コンニャク・大根・ニンジン・ゴボウを薄味でおでん風味に炊いたものを作らせています。これを空腹時には何時でもどれだけでも食べていいと説明しています。食べるものがあると思うだけで、イライラ感は減りダイエットが長く続けられるのです。

これらの後で、3か月間を1クールとする食事・運動指導を行っています。

その概略は、甘いケーキ・チョコレートなどの砂糖菓子はやめ、おやつは果物1日2個まで。毎食前にはキャベツ・トマト・キュウリなどの生野菜を十分に噛んで食べ、1日のおかずも全部で牛乳200ml+卵1個+肉80g(8×4×0.8cm)+刺身5切れ+豆腐1/2丁にし、主食は朝・昼ご飯1杯ずつで夕食の主食は抜く食事療法(女性なら1200kcal減量食)です。男性なら夕のご飯をもう1杯とおかずを少し増やした1500kcal減量食です。また、食後20~30分後を中心に1日5000歩の散歩も必須です。足が悪い人でも椅子に座っての上半身の運動くらいはやっていただきたいものです。これで月に2kgは痩せます。しかし、減量を始めても最初の1週間は効果が出にくいので、当方では、夜風呂に入った時、腹を摘まんで何度も強く揉むように指導しています。腹を摘まんで固いときは、まだ中性脂肪が脂肪細胞の中に満杯に詰まっているからです。しかし、1週間もすれば脂肪がエネルギーとして使われ、脂肪細胞の中の中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールとして血中へ放出され、逆に、水分が脂肪細胞の中に入ってきて柔らかくなります。さらにその1週間後にはその水分も血中に出ていき痩せていくのが実感されます。それゆえ、焦っても1日2日でお腹は凹まないので、その間は、腹を揉みながら、今日あった減量にまつわる出来事を振り返り反省し、翌朝からの減量目標にして励んでいただいています。例えば、朝はキャベツを食べたのか、食後に散歩に行ったのか。職場で3時のおやつに饅頭を食べてしまった。ダメダメ明日はリンゴを持参するゾ!喫茶店ではコーヒーに砂糖を入れてしまった。ダメダメ次回は人口甘味料を持っていくゾ!

このようにある程度根気よく頑張れば、3か月で5%以上の減量を93%の患者さんが成功されています。減量したいと思われている皆様方、成功率の非常に高いこの減量法に一度チャレンジされてみてはいかがでしょうか。



第47号 しまばら通信より・2016年 春

<このコラムの執筆:糖尿病内科部長 吉田 俊秀

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